珍しく朝早くから家のドアがノックされた。
「何だ?」と思いながら外に出てみると、漁師の知人が居た。
「シャチがやってきたんだ」
「ソリャ凄い」と話した後、天気の話し、そして無言が続く。
暫くした後に、「見に行かないか?」と彼が言う。
返事するまでも無く、すぐに準備を始める。
昨夜、蝋燭魚キャンプ(蝋燭魚から油を作る昔ながらの小屋)からの帰りに、またタイヤを一本駄目にした(この3年で10本目だ!)のを思い出し、集合時間に迎えに来てもらうことにする。
今年一の暖かい風。 気温は15度に達しようとしていた。
漁港から出発するとすぐに、対岸で何かが動いているのが見える。
トドだ。 このトドや、イワシを捕獲するために、シャチがやってきたらしい。
シャチの潮吹きを目当てに進み、7頭の群れの中に入る。
エンジンを切ると、我々の周りを大きなボスは悠々と泳ぎ、小さな子供たちはうれしそうにバシャバシャと尾びれを水に打ちながら泳いでいた。
太陽に照らされて色の付いた、シャチの潮吹き